事業・戦略

観光を基点とする、スケーラブルな不動産プラットフォームの構築

当社の戦略は、観光地不動産に特化したスケーラブルなプラットフォームを、北海道を起点に築き、同様の特性を持つ他の地域へと広げていくことです。このプラットフォームは投資・開発・運営の機能を統合しており、資産を単なる不動産としてではなく、長期的な観光インフラとして評価することを可能にします。

当社の戦略は、次の4つの柱に立脚しています。

  • 眠っている観光ポテンシャルの解放:自然資本と文化に恵まれながら、不動産・観光インフラの整備が途上、あるいは分散しているエリアに照準を合わせます。
  • デュアル収益エンジンの運営:バリューアップ開発と売却による「フロー(開発・売却益)」と、管理・運営による「ストック(継続収益)」を組み合わせ、資本の循環と収益の安定を両立させます。
  • エリア単位のプラットフォームによる拡大:単体のフラッグシッププロジェクト(ポイント)から、相互補完的な資産群(ライン)へ、そして最終的には地域統合型プラットフォーム(エリア)へと展開します。
  • 成長の推進力としてのESGとガバナンス:環境への配慮、地域活性化、強固なガバナンスを、独立した取り組みとしてではなく、当社の価値提案の中核と位置づけています。

これらの柱を統合することで、当社は投資家にリスク調整後リターンを提供すると同時に、北海道をはじめとする事業展開地域の長期的な活力を支えることを目指しています。

Strategy Framework
01 潜在価値の解放 未活用の観光資産と豊かな自然資本 02 デュアル収益エンジン フロー(開発・売却益)× ストック(継続収益) 03 エリア単位の拡大 点から線、そして面へ 04 ESGとガバナンス 付随的施策ではなく成長の推進力 集中と拡張性 観光を基点とする不動産プラットフォーム

主要な事業領域

投資・アセットマネジメント

投資機会の発掘・評価、国内外の投資家と連携した投資スキームの組成、財務・運営上の目標に沿ったポートフォリオの管理を行います。

主な役割

開発・バリューアップ

コンバージョン、リノベーション、新規開発の企画・実行を通じて、地域の物語と自然資本をプロジェクトコンセプトに織り込みます。

主な役割

プロパティ・サービスマネジメント

自社保有・第三者保有を問わず、高い稼働率・収益・宿泊者満足度を実現する運営・管理を行います。

主な役割

個人向け不動産サービス

個人の不動産オーナー・購入希望者向けの仲介・買取・相談サービスを、専用サイトを通じて提供します。

主な役割

これらの事業領域の組み合わせがデュアル収益エンジンを支え、資産ライフサイクルの複数の段階で価値を獲得することを可能にしています。

デュアル収益エンジン:フローとストック

当社のビジネスモデルは、キャッシュ創出と継続収益のバランスをとる、デュアル収益エンジンを軸に組み立てられています。

フロー(開発・売却益)― バリューアップ・開発・売却

  • リポジショニングや再開発の余地がある資産の取得
  • リノベーション、コンバージョン、新規開発プロジェクトの実行
  • 運営を安定させ、持続的なパフォーマンスを実証
  • 資産売却、ファンドへの拠出、その他のエグジット手法による価値の実現

ストック(継続収益)― 継続的なフィー収入と運営収益

  • ポートフォリオ・投資ビークルの管理によるアセットマネジメントフィー
  • 建物・テナントの日常管理によるプロパティマネジメントフィー
  • ホテル・宿泊施設の運営によるサービスマネジメント収入・運営収益

このストック部分が、市況のサイクルを通じてプラットフォームを支える継続的な収益基盤となります。

Business Model
フロー 取得 → 磨き上げ → 売却 開発・売却益 ストック 管理 → 運営 → サービス 継続収益 資本の循環

フローとストックのバランス

資本のリサイクル

成熟したプロジェクトから資本を回収し、新たなバリューアップ機会へと再投資できます。

継続収益の基盤

分散の効いた継続収益の基盤を築くことができます。

サイクルを通じた柔軟性

観光需要や資本市場の変化に応じて、柔軟に対応することができます。

セグメント別の収益数値は、当社のSEC提出書類と整合する形で掲載予定です。

価値創造のトリニティ:創業者 × 組織 × ガバナンス

当社の経営に対する考え方は、「価値創造のトリニティ」というひとつの概念に集約されます。持続的な価値は、3つの要素がバランスよく機能したときに生まれると、当社は考えています。

Management Philosophy
SHINTATSU 価値創造 01 創業者 理念と方向性 02 組織 実行力と人材 03 ガバナンス 監督と信頼

創業者

ビジョンを示し、長期的な方向性を定め、北海道と地域活性化に根ざした明確なパーパスで会社の軸を支えます。

組織

投資、開発、運営、コーポレート部門にわたる組織能力を構築します。学び、協働、専門的な成長を促し、特定の個人に依存しない経営を実現します。

ガバナンス

監督、リスク管理、コンプライアンスの体制を確立します。投資家・ステークホルダーへの透明性を確保し、グローバル資本市場へのアクセスを支えます。

このトリニティは、海外機関投資家との協働を見据える創業者主導の企業にとって、とりわけ重要です。当社は、起業家としての機動力を保ちながら、グローバル資本市場が求めるガバナンス水準を満たすことを目指しています。

なぜ北海道か

自然資本と観光需要の成長

北海道は、豊かな自然資本と、力強く進化を続ける観光需要を兼ね備えています。雪、森、海岸線、そして食文化が、四季を通じて国内外の旅行者を惹きつけています。

観光と需要を支える要因

  • 良質なパウダースノーでのスキー・スノーボードをはじめとするウィンタースポーツ
  • 自然、アウトドア、美食を中心とした夏季・端境期の観光
  • 航空アクセスの向上と国際的な認知の高まりに支えられた、インバウンド観光の拡大

投資対象としての特性

長期投資家にとって、北海道は次のような魅力を備えています。

安定した法制度

国内外の投資家に開かれた、安定した法制度と明確な所有権。

相対的な割安感

世界の主要リゾート市場と比較した相対的な割安感と、価値上昇の余地。

統合的な底上げの余地

成熟したエリアと新興エリアが混在し、統合的な投資によって観光の質を大きく引き上げられる環境。

当社は、観光のファンダメンタルズが強く、質・受け入れ能力の向上余地があり、当社のプラットフォームが地域活性化に有意義な役割を果たせる、北海道内の選び抜いたエリアに集中しています。

主要エリア

01 / HOKKAIDO

小樽:当社の本拠地

北海道西海岸の歴史ある港町。運河、石造倉庫、海を望む坂の街並みが、歴史と景観の調和を生み、札幌からのアクセスにも恵まれています。小樽は、当社が事業のアプローチを最初に確立した場所です。活用されていない建物の宿泊・ホスピタリティ資産への転換、地域の関係者と連携した街区単位の改善、他エリアへ展開可能なコンセプトの検証を重ねてきました。小樽は今後も、当社の運営拠点であると同時に、エリア単位の取り組みの重要な舞台であり続けます。

02 / HOKKAIDO

ニセコ:世界へのゲートウェイ

世界中から旅行者と資本を集める、国際的に知られたパウダースノーの聖地であり、世界のリゾートマップにおける北海道の地位を支えています。ニセコは、フラッグシッププロジェクトから、ブランディング・デザイン・宿泊体験でつながる相互補完的な資産群へと展開する、当社のスケーリングエンジンの実証の場です。

03 / HOKKAIDO

富良野:四季を通じた可能性

北海道の中央部に位置する富良野は、季節ごとの美しい風景と、四季を通じて高まる魅力で知られています。夏の花畑、農場、サイクリング、冬の良質な雪、そして一年を通じた食、ワイナリー、農村体験。ホテル・リゾート、バケーションレジデンス、サービスアパートメント、農業・自然・地域文化と宿泊者をつなぐ体験まで、幅広い機会が広がっています。当社は富良野を、滞在の長期化と需要の多様化を実現する、バランスのとれたポートフォリオ構築の中核エリアと位置づけています。

ESGとガバナンス

当社のESGへの取り組みは、観光地不動産が自然資本、地域コミュニティ、そして信頼の上に成り立っているという現実に根ざしています。当社は、相互に結びついた3つのテーマを軸にESGを捉えています。

ESG:自然資本と地域活性化

自然資本

北海道の景観と気候の価値を認識し、プロジェクトの選定・設計において環境への影響と気候関連リスクを考慮します。

地域活性化

地域の雇用、中小事業者、コミュニティの持続力を支える資産を開発し、観光を地域経済の長期的な原動力と捉えます。

ガバナンス

透明性の高い意思決定とリスク管理を支える体制・プロセスを維持し、経営陣のインセンティブを投資家・ステークホルダーの利益と整合させます。

北海道の自然景観

当社のプロジェクトは、自然そのものが最大の魅力である環境に立地しています。そのため当社は、環境への配慮を価値創造に不可欠な要素と位置づけています。それは責任であるだけでなく、資産と地域の持続可能性への長期的な投資でもあります。

重点分野

  • 立地・プロジェクト評価:投資プロセスの早い段階で気候、地形、環境リスクを検討
  • 資源効率:可能な範囲で省エネルギー性能の高い建築設計・設備を推進
  • 運営:オペレーターやパートナーと協働し、日々の運営における廃棄物・水・排出の管理を実施
観光客でにぎわう商店街 観光客でにぎわう商店街 観光客でにぎわう商店街

当社のプロジェクトは、それを受け入れる地域の未来と深く結びついています。短期的な来訪者数だけでなく、地域活性化に貢献する資産の開発・運営を目指しています。

地域の関係者との協働

  • 自治体・観光団体 ― 地域計画やインフラ整備とプロジェクトの整合
  • 地元事業者・サプライヤー ― 地域の産品・サービスの宿泊体験への組み込み
  • 住民・不動産オーナー ― 空き家、事業承継、街並みの質といった課題への対応

経済的・社会的な貢献

  • ホスピタリティ、建設、関連サービスにおける雇用の下支え
  • より多様で質の高い体験の提供による滞在期間の長期化
  • 地域文化を保全し、世界の旅行者の心に響くかたちで再解釈する取り組み
取締役会 経営陣 リスク コンプライアンス IR

強固なガバナンスとコンプライアンスは、当社が世界の投資家と協働し、複数の法域で事業を展開するうえで不可欠です。

ガバナンス
  • 戦略、リスク、重要取引に対する取締役会の監督
  • 経営陣および主要委員会の役割の明確化
  • 利益相反、関連当事者取引、情報開示に関する諸規程の整備
コンプライアンスと企業倫理
  • 日本およびその他の関係法域における適用法令の遵守
  • 財務報告と情報管理に関する内部統制の維持
  • 贈収賄・不正な利益供与の禁止および反社会的勢力との関係遮断の徹底

取締役会の構成や委員会の権限を含むガバナンス体制・方針の詳細は、投資家情報および法定開示書類にてご提供しています。

当社は、サステナビリティおよび気候関連開示に関する国際基準の進展に合わせて、社内体制の強化を進めています。体制の整備が進み次第、より詳細な情報をIRコミュニケーションを通じてご提供します。

スケーリングエンジン:ポイントからエリアへ

Scaling Engine
ポイント 旗艦プロジェクトが モデルを実証 ライン 相互補完的な資産群が 一つの体験を形成 エリア 統合基盤が地域全体の 価値を押し上げる

単発のプロジェクトにとどまらないために、当社は単体の資産からエリア単位のプラットフォームへと体系的に拡大する「スケーリングエンジン」を採用しています。

ポイント:フラッグシッププロジェクト

厳選した立地で質の高いプロジェクトを実行し、需要、価格設定、運営モデルを検証します。

ライン:プロジェクト群

フラッグシップを補完する資産(例:ホテル+レジデンス+体験コンテンツ)を開発し、ブランディング、デザイン、宿泊体験でつなぎます。

エリア:統合型プラットフォーム

エリア全体の観光エコシステムを底上げするポートフォリオを構築し、官民の関係者と連携してアクセス、インフラ、サービスを向上させます。

成長テーマ このエンジンを、小樽・富良野・ニセコをはじめとする観光拠点のリゾートホテル・ブティックホテル、中長期滞在者向けのリゾートレジデンス・サービスアパートメント、宿泊・商業・コミュニティスペースを組み合わせた複合プロジェクトに適用していきます。

当面は北海道の主要エリアでのプレゼンス深化に注力し、将来的には同様の特性を持つ他の地域へこのモデルを展開していくことを目指します。